II-22-8. オープンソースRDBMSの種類と特徴

PostgreSQL、Firebird、MySQLといった代表的なオープンソースRDBMSについて、開発の歴史や主たる機能、特徴やライセンスなどについて解説する。さらに商用RDBMSとの比較やオープンソースRDBMSを利用する理由についても説明する。

【学習の要点】

* 代表的なオープンソースRDBMSとしては、企業が開発しオープンソース化したMySQL、大学の研究プロジェクトで開発されたPostgreSQL、商用RDBMSから分岐したFirebird等がある。

* オープンソースRDBMSは機能、性能共に商用RDBMSと遜色ないものとなってきており、企業システムで使えるレベルになっている。

図II-22-8. オープンソースRDBMSの種類と特徴

【解説】

1) オープンソースRDBMSの普及

昨今のオープンソースRDBMSは、商用RDBMSと比較しても機能、性能共に遜色ないものとなっており、オープンソースOSやWebサーバの普及に伴って広く利用されている。

オープンソースRDBMSを利用する理由となるのは、通常のオープンソースソフトウェアと同様に改変可能、ライセンス料金不要という点である。特に注目されるのは、ライセンス料金不要の側面である。Webシステムでは利用ユーザ数が予測しづらく、コストも抑制されがちである。かかる利用目的において、商用RDBMSはコストが高く、ユーザ数でライセンス料金が変動する形式のものもあり、採用しにくい面があった。そこで、代用としてオープンソースRDBMSが急速に普及していった。

2) オープンソースRDBMSの種類

オープンソースRDBMSは様々な製品が登場している。主たるものとして以下の3製品がある。

* PostgreSQL

PostgreSQLは、カリフォルニア大学バークレー校のプロジェクトにより開発され、その後インターネットコミュニティに引き継がれ開発が継続されているRDBMSである。

PostgreSQLは商用RDBMSに匹敵するほど高機能なRDBMSで、企業システム用途での利用を意識して機能強化が進められており、比較的早期にストアドファンクションやサブクエリーをサポートするなど機能が充実している。

また、プログラム改変後のソースコードの公開の義務がなく、商用利用でも制限なく使用可とする、BSDライセンスに基づいて配布されており、ライセンス上の懸念が少なく利用できる。そのため、基幹業務システムで採用される場合も多い。

* MySQL

MySQLはコミュニティ主体ではなくMySQL AB社という企業が主体となり開発したRDBMSである。2008年にサン・マイクロシステムズが買収した。

MySQLは、無償のCommunity Serverと有償のEnterprise Serverという二つのライセンス形態に分けられている。両者ともオープンソースソフトウェアであるが、Enterprise Serverのバイナリプログラムは再配布はできない。Enterprise Serverは安定性を重視し、Community Serverは機能実装を重視する方針で開発が進められている。

MySQLは従来から処理速度が高速であることで知られていたが、機能面でも他のRDBMSと遜色がなくなってきている。

PostgreSQLと同様に、各種開発言語用のAPIが用意されており、WebシステムのバックエンドRDBMSとして多くの実績がある。また、ブログなどのオープンソースCMSでは、対応DBとしてMySQLが採用されている場合が多く、個人向けレンタルサーバで搭載されるDBとしての普及も進んでいるため、個人ユースとしても広く利用されている。

* Firebird

Firebirdは、商用のRDBMS「InterBase」を起源として約20年の歴史を持つRDBMSで、ボーランド(当時)がオープンソースとしてリリースしたInterBase 6.0を基として、開発が続けられている。Firebirdプロジェクトには過去にInterBaseの開発を行っていたメンバーが多く参加しており、商用製品に遜色ないプロジェクト体制を有している。

ストアドファンクション、オンラインバックアップなど企業システムを意識した機能を備え、また、商用のInterBaseから派生した経緯から、InterBaseユーザの代替としても広く利用されている。

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