II-24-7. 組み込みシステムにおけるネットワークのハードウェア要件

シリアル通信、赤外線インタフェース、IEEE802.15などの低速デバイスや、IEEE1394、イーサネット、USB2.0などの高速デバイスによる通信インタフェースのハードウェアについて、その概要や特徴、利用方法、留意点を解説する。

【学習の要点】

* 組み込みシステムは、外部ハードウェア機器との接続のために、バス/インタフェースと汎用ネットワークをサポートする必要があることが多い。

* バス/インタフェースはCPUに周辺機器を接続するための仕組みであり、主にPCMCIA、PCI、SCSI、USB、GPIB、IEEE1934(FireWire)などが例である。

* 汎用ネットワークは、主にCPUをもつ組み込みシステム同士が、相互に通信するためのサービスの仕組みである。イーサネットやIrDA, IEEE 802.11(無線)などが例になる

* バス/インタフェースや汎用ネットワークはデバイスドライバを通じて論理的な通信が行われる。

* 組み込みシステムにおいては、ハードウェア上の制限から通信容量、電源容量、エラー処理、遅延対策等について十分に検討する必要がある。

 

図II-24-7. 組み込みシステムにおけるネットワーク

 

【解説】

1) バス/インタフェースと汎用ネットワーク

* 組み込みシステムは、外部ハードウェア機器との接続のために、バス/インタフェースと汎用ネットワークをサポートする必要があることが多い。

* バス/インタフェースはCPUに周辺機器を接続するための仕組みであり、ハードウェア同士を低レベルな通信プロトコルにより直接接続する。「ネットワーク」ではない。

* 汎用ネットワークは主にCPUをもつ組み込みシステム同士が、相互に通信するためのサービスの仕組みである。イーサネットやIrDA, IEEE 802.11(無線)などが例になる。

* 組み込みシステムにおいてバス/インタフェースや汎用通信に対応する場合、しばしばハードウェア上の制限から通信容量、電源容量、エラー処理、遅延対策等について十分に検討する必要がある。

2) バス/インタフェース

* 組み込みシステムにおける主なバス/インタフェースには次のものがある。

- PCMCIA:主に ICカードを接続するために利用されるバス。

- PCI: PC-ATアーキテクチャにおいて現在最も普及しているバス。イーサネットカードやグラフィックカードの接続に利用する。

- SCSI: ハードディスクなどの様々なハードウェア周辺機器を接続するための汎用バス。

- USB: 高速シリアルバス規格の一つで、プラグ&プレイおよびホットプラグに対応している。

- GPIB: 測定機器、計測機器に利用される。エンジニアリングと科学分野で利用が多い。

- IEEE1934(FireWire): 高速シリアルバス規格の一つで、プラグ&プレイおよびホットプラグに対応している。USBとの差はデータ通信にホスト機器が必要ないことである。

3) 汎用ネットワーク

* 多くの組み込みシステムが汎用のネットワークに接続するようになってきている。そのために汎用の通信インタフェースに対応する必要がでているのが現状である。

* 組み込みシステムにおける主な汎用ネットワークには次のものがある。

- イーサネット:現在最も普及しているネットワークインタフェース。

- IrDA:赤外線を利用したデータ通信を行うネットワークインタフェース。

- IEEE 802.11:無線を利用したネットワークインタフェース。イーサネットの無線版。

- Bluetooth:近接したデバイス同士の通信を無線で実現する。無線版USBとも言われる。

4) デバイスドライバ

* バス/インタフェースや汎用ネットワークはデバイスドライバを通じて論理的な通信が行われる。

* デバイスドライバとは入出力装置や外部記憶装置などの周辺デバイスを直接制御するソフトウェアである。

* デバイスドライバを利用するメリットは、周辺デバイスの違いを抽象化して、上位にあたるアプリケーションの再利用性を高めることと、アプリケーションの開発自体を容易にするという2点である。

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