II-26-9. 組み込みアプリケーションの設計手順

携帯電話の機能を利用するアプリケーションを題材に、仕様の検討、前提条件調査、ソフトウェアの配置方法、ハードウェア構成の分析、機能設計と制御設計、タイミングチャートによる検証など、組み込みアプリケーションの設計手順を解説する。

【学習の要点】

* 携帯電話アプリケーションの事例を通して要求仕様定義、ソフトウェアの配置、ハードウェア構成の分析、など設計の手順を学習する。

* 組み込みアプリケーションの設計においてはリソース制約が関心事となる。

図II-26-9. 携帯電話アプリケーションの開発

【解説】

1) 携帯電話上で動作するアプリケーションの設計

* 仕様の提示

- 開発するアプリケーションの仕様を提示する。

- (例)携帯電話上でカメラやバックライトを操作するアプリケーションを設計する。

* 前提条件の把握

- 前提条件を提示する。

- (例)組み込みLinux、Java MEの利用し、MIDPアプリケーションであるMIDletを作成する。

* ソフトウェアの配置と役割分担

- 開発に用いるソフトウェアと担当を決定する。

- (例)開発環境:EclipseなどJavaアプリケーションが開発できる環境を用意する。

- (例)エミュレータ:Sun Java Wireless Toolkit for CLDCなどを用いる。

- (例)UML描画ツール:JUDE, ArgoUMLなどのOSSを用いる。

* ハードウェアの構成とその機能の分析

- 現状、携帯キャリア各社によってプロファイルが異なるが、それぞれのプロファイルで提供されている機能を把握する。

- 実機でのリソースの制約を満たすよう検討する。

* 機能設計

UMLを用いた分析・機能設計を行う。その際、UML描画ツールを利用する。

- クラス図作成

特に、利用するAPIを含むクラス階層、作成するクラスなどを記述する。

- 状態遷移図作成

排他制御の必要性を認識するために、アプリケーションの起動から実際に動作、終了させるまでを状態遷移図として表現する。

* 制御設計、タイミングチャート作成

- カメラやバックライトなど、同時に利用できるプロセスに制約があるリソースの排他制御を行う。

- ユーザの動作とアプリケーションの動作とをUMLのタイミングチャート図に記述し、デッドロックが起きないように考慮する。

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