I-3-4. メモリの役割(メモリシステムの構成と記憶階層の概念)

メモリの基本構成と役割、特徴、発展の歴史について解説する。主記憶装置として利用されるメモリや、1次、2次キャッシュといった階層的記憶装置の概念、CPUとの接続方法などを説明し、コンピュータにおける各メモリの役割を紹介する。

【学習の要点】

* メモリとは、コンピュータにおいて情報の記憶を行う記憶装置のことである。

* CPUは、メモリに記憶されているプログラムの命令を読み込んで実行する。

* キャッシュメモリは、CPUなどの処理装置と主記憶装置との性能差を埋めるために用いる。

図I-3-4. 主なメモリ

【解説】

1) メモリの役割

メモリは、コンピュータにおいて情報の記憶を行う装置のことであり、主記憶装置と補助記憶装置の2つに分類される。主記憶装置は半導体によるものが多く、一方、補助記憶装置には磁気式、光学式など様々な形態の記憶装置が利用されている。

* プログラムの格納

起動されたプログラムは、数値列として何らかのメモリに格納されている。CPUはこのメモリに記憶されている命令を読み込み、該当する処理(演算処理など)を実行する。

* CPU演算結果の格納

演算結果はメモリに格納される。ただし、その結果が一時的なものか即時利用される場合には、レジスタと呼ばれる高速なメモリ領域に格納される。

2) 主なメモリ(記憶装置)

補助記憶装置を除いた主なメモリは、以下の通り。

* レジスタ

フリップフロップなどの回路素子を用いてデータを保持する回路のこと。主な役割は以下の通り。

- 計算結果を一時的に保持する。

- RAMやROMなどのメモリを、読み書きする際のアドレスを保持する。

- 周辺機器の動作状態を保持・変更する。

* キャッシュメモリ

CPUなどの処理装置と、バスも含めた主記憶装置との性能差を埋めるために用いる高速小容量メモリのこと。さらに、1次キャッシュ・2次キャッシュと呼ばれる階層的なメモリも用意されている。以前のCPUでは、CPUと別のSRAMをキャッシュとして使っていたが、近年ではCPUの内部に演算回路と一緒に組み込まれることが多い。

- 1次キャッシュ

CPUのアーキテクチャと密接に連動して動くキャッシュ。高速だが容量を増やすことが難しい。

- 2次キャッシュ

メインメモリよりは高速で、1次キャッシュよりも容量を増やすことが容易なキャッシュ。

* メインメモリ

メインメモリとは、CPUが直接アクセスすることのできる記憶装置のことである。書き込みも読み込みも可能なRAMと読み取り専用のROMとがあるが、ともに現在は半導体メモリが主流となっている。RAMは、高速ではあるものの容量が限られており、さらに電源の供給がなくなるとデータが消滅してしまうといった注意点もある。

- RAM(SRAMとDRAM)

RAMには、一定時間経過するとデータが消失するDRAMと、電気が供給されていれば内容を保持が可能なSRAMの2種類がある。 SRAMはDRAMより高速であるが、DRAMの方が集積度を高めることができる。

- ROM : ROMとは、読み取り専用のメモリである。

OSS Course Naviのコンテンツは IPA OSS モデルカリキュラムを基としています。