I-3-10. ミドルウェアの種類と役割、その特徴

Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベース管理システムといったミドルウェアの基本構成と役割、特徴、OSSの実装状況について解説する。また、それぞれに関して代表的なOSSを紹介する。

【学習の要点】

* ミドルウェアとは、OSのレベルよりもアプリケーションプログラムのレベルに近い機能を提供するソフトウェア。

* 特定の分野でしか使われないが、その分野では必ず使用される機能は、ミドルウェアの形で提供されている。

* 具体的な例として、Web サーバの通信に使われるhttpサーバのほか、業務ロジックを実行するアプリケーションサーバや、データの保存・検索を行うデータベース管理システムなどがある。

図I-3-10. ミドルウェアの種類

【解説】

1) ミドルウェアの役割

様々なアプリケーションに対して特定の機能を提供するソフトウェアをミドルウェアという。OSよりは上のレイヤに位置付けられ、一般にはそれ単独で利用されることはない。Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベース管理サーバなどは典型的なミドルウェアである。

* Webサーバ

Webサーバは、クライアントコンピュータ上のウェブブラウザから送られたリクエストに対し、HTMLや画像などWebページを構成するコンテンツを送信する。

- Apache

Apacheはオープンソースとして公開され、世界中のボランティアのプログラマたちの手によって長年に渡って開発が続けられている。世界におけるWebサーバの60%以上が、Apache Web Serverもしくは、その派生製品である。

* アプリケーションサーバ

ユーザからのリクエストを受け付けて、その内容をデータベース管理サーバに橋渡しする機能を提供するプログラム。以下に代表的なアプリケーションサーバを紹介する。

- JBoss

プログラミング言語Javaにより開発されたOSSの総称。40以上の様々なプロジェクトがあり、Webサイトより自由にダウンロードして使うことが可能である。

- Tomcat

OSSとして公開されているアプリケーションサーバ。JavaサーブレットやJSPを処理することが可能である。単独でWebサーバとして利用することも可能だが、Apache Web Serverのプラグインとして動作させることも可能である。実際にはこの方が実績も多い。

* データベース管理サーバ

共有データとしてのデータベースを管理し、このデータベースに対するアクセス要求を管理、リクエストされた処理を行うソフトウェア。データのフォーマットや利用手順を標準化し、この利用手順を守ることで、いかなるアプリケーションプログラムからもアクセスが可能となる。

- MySQL

オープンソースとして公開されているリレーショナルデータベース管理システム。マルチユーザ・マルチスレッドで動作し、高速性と堅牢性に定評がある。世界的にも導入実績は多い。

- PostgreSQL

オープンソースとして公開されているオブジェクトリレーショナルデータベース管理システムの1つ。主にLinuxとApache Web Serverを連携させて使用されることが多い。近年では企業のOSS活用の流れを受けて、商用システムに代わり採用される事例が増えている。トランザクションやサブクエリ、トリガなど主要な機能をサポートしている。

- Firebird

Firebirdは、ボーランド株式会社のInterBase6.0ソースコードを流用したリレーショナルデータベースである。オープンソースとして公開されている。20年以上使用されてきており、大変成熟して安定している製品である。

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