I-6-1. 代表的なオペレーティングシステム

OSの基本的な役割を説明し、OSがコンピュータに搭載されるようになった経緯と現在に至る発展の歴史を解説する。さらに現在の代表的なOSを紹介し、それぞれのOSが持つ特徴や各OSの分類についても触れる。

【学習の要点】

* OS(Operating System)とは基本ソフトウェアの一つであり、基本的な役割として、プログラム間の資源管理や、ハードウェアへのインタフェースの提供などがある。

* 1950年代の初期のコンピュータは、オペレーティングシステムを持たなかったが、1960年代にマルチプログラミング・タイムシェアリングシステムなどが登場して、これらの概念を搭載するオペレーティングシステムが登場した。

* 1960年代後半にハードディスクドライブが登場したことで、著しい進化を遂げてゆく。

図I-6-1. オペレーティングシステム発展の歴史

【解説】

1) オペレーティングシステムの基本的な役割

オペレーティングシステムとは、基本ソフトウェアの1つである。基本的な役割は以下の通り。

* 資源管理

コンピュータ上で複数個のアプリケーションプログラムが同時に起動された場合に、互いのプログラムが相手の資源に干渉しないように管理する。

* ハードウェアの抽象化

アプリケーションプログラムに対して、様々なハードウェアへの統一的で単純化された利用インタフェースを提供する。

* コンピュータの利用効率の向上

複数個のプログラムを同時に起動させる場合に、資源の割り当てや処理の順番、および処理の割り当て時間を工夫することで、全体のデータ処理容量を向上させる。

2) オペレーティングシステム発展の歴史

* 第1世代

1950年代。初期のコンピュータはオペレーティングシステムを持っていなかったが、システム管理用ソフトウェアツールなどは早々に開発が行われ、次第にその利用範囲を広げていった。

* 第2世代

1960年代前半。マルチプログラミング・タイムシェアリングシステム・ジョブ管理・仮想記憶の概念が登場し、これらの概念を搭載するオペレーティングシステムが登場してきた。

* 第3世代

1960年代後半。ハードディスクドライブの登場とタイムシェアリングシステムの本格的な実用化などにより、著しい進化を遂げてゆく。

* 第4世代

1970年代。Multicsのタイムシェアリングシステムが、UNIXやVMSなどに大きな影響を与えてゆく。パソコン向けのOSとしてCP/Mが登場し、これのクローンとしてMS-DOSが発表される。

* 第5世代

1990年代。GUIとともにメインフレーム用途のOSの、堅牢性と柔軟性が求められる。この頃には、パーソナルコンピュータがこのような要請に応えられるだけの性能を持っていた。

3) 代表的なオペレーティングシステム

* DOS(MS-DOS、PC-DOS、CP/M、DR-DOSなど)

ディスク装置を前提としたコンピュータのオペレーティングシステムである。

* Microsoft Windows

米国マイクロソフトが開発及びライセンス販売を行うコンピュータのオペレーティング環境。

* UNIX(AIX、BSD、SystemⅤ、Solaris)

マルチタスク、マルチユーザ機能を有するOSの1つ。また、これから派生した一連のOSの総称。

* Linux

UNIXによく似たコンピュータ用オペレーティングシステム。

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