I-12-1. ネットワーク運用管理の概要

ネットワーク運用管理の全体像と各運用管理で行う作業の概要を説明する。インターネット環境の運用リスクや、マルチベンダ/マルチプロトコル環境に対する分散管理の方法論や、分散管理サービスの事例についても触れる。

【学習の要点】

* ネットワーク運用管理を行う目的について理解することで、効率良く、円滑かつ安全にネットワークを運用できるようにする。

* インターネットの普及により、ネットワーク管理が大規模・複雑化しているが、これによりネットワーク運用のリスクが高まっている。

* ネットワーク管理のために、数種類のプロトコルが存在しており、これらのプロトコルにより適切な情報の取得を行うことができる。

図I-12-1. 障害管理の一例

【解説】

1) ネットワーク運用管理の概要

ネットワークの運用管理の目的は、対象とするネットワークを、効率良く、円滑かつ安全に運用することである。

* 通常運用

監視や統計情報の収集など、ネットワーク運用に関する日々の業務を通常運用という。

* 障害時運用

障害時の回復や障害の切り分け、拡散防止を行ったりするための業務を障害時運用という。

* 保守

ソフトウェアのメンテナンスや調査、設定情報のメンテナンスなど変更作業全般を保守という。

2) インターネットワーキングの運用リスク

インターネット環境の普及によって、新たな運用リスクが生じている。

* ネットワーク規模の拡大

新たにノードが追加されることにより、ネットワークの規模は大規模化する。運用管理の設計においては、将来を見据えて規模の拡大に対応できる設計とする必要がある。

* マルチベンダ環境/マルチプロトコル環境

インターネット環境や類似のネットワークは、複数のベンダの製品から構成されることを考慮しなければならない。さらにマルチベンダ環境ではプロトコルも多く存在し、結果として構成されるネットワークは非常に複雑なものとなる。

* 多様な利用形態

今日では、伝統的なテキストデータのやりとりだけでなく、音声データや画像データ、ビデオストリーミングなど様々なデータが通信されるようになっている。各種通信形態のニーズや問題点を把握し、適切な運用を設計しなければならない。

3) マルチベンダ管理システムの分散管理の方法論

* ネットワーク標準管理体系によるマルチベンダネットワーク管理

運用時のネットワーク管理のための標準規格として、以下のものがあげられる。

- Simple Network Management Protocol (SNMP)

- Common Management Information Protocol (CMIP)

- Common Information Model (CIM)

4) ネットワーク分散管理サービスの事例

* ネットワークシステムの集中管理

分散化されたネットワークを管理するためには、情報を集中管理することが必要である。分散された各ネットワークの変化がネットワーク管理者に届くことで管理データの遅延を防ぐことが可能になる。

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