I-27-1. マルチプロセッサシステムの種類

マルチプロセッサシステムについて、その基本概念と特徴、利点などを示し、従来からの分類方法であるSISD/SIMD/MISD/MIMDといった種別や、新しい分類方法であるSMP (Symmetric Multi Processor)、クラスタ構成、MPP (Massively Parallel Processor)などを紹介する。

【学習の要点】

* マルチプロセッサシステムでは、処理を一つのCPUではなく、複数のCPUで並列して行う。これにより処理力の向上と耐故障性の向上とを実現する。

* マルチプロセッサの分類として、プロセッサの数とデータを並行処理する方式によるSISD/SIMD/MISD/MIMDの分類が従来から使われている。

* 対称的(Symmetric Multi Processor: SMP)、非対称的(Asymmetric Multi Processor: AMP)といった分類の他、超並列(Massively Parallel Processor:MPP)などの分類が使われる。

図I-27-1. SIMDとMIMD

 

【解説】

1) マルチプロセッサシステム

* マルチプロセッサの分類(Flynnの分類)

- SISD(Single Instruction stream Single Data stream:単一命令単一データフロー)

従来型のコンピュータの処理形式であり、1命令で1つのデータフローを処理する。

- SIMD(Single Instruction stream Multiple Data stream:単一命令複数データフロー)

1命令で1つの配列を処理する。代表例としてベクトルプロセッサがある。

- MISD(Multiple Instruction stream Single Data stream:複数命令単一データフロー)

複数のプロセッサで同じ1つのデータフローの処理を行う。冗長性があり、高度な信頼性を求められる場合にのみ使われる。

- MIMD(Multiple Instruction stream Multiple Data stream:複数命令複数データフロー)

複数の独立したプロセッサが、同時に異なるプログラムを処理する。

* 対称型・非対称型

- 対称マルチプロセッサ(SMP)はMIMDアーキテクチャの例である。一般にSMPでは、同一種類のプロセッサが用いられ、どのプロセッサも他のプロセッサと同じ計算ができる。

- 非対称マルチプロセッサ(AMP)では、複数種類のプロセッサが用いられる。各プロセッサが処理用途に応じた能力を持っている場合が多い。

* 超並列コンピュータ

- MPPでは、複数のマイクロプロセッサを用いて並列処理を行う。高性能な専用プロセッサを使うスーパーコンピュータよりも安価に高速化できる。

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