I-27-8. CPUの性能指標と評価方法

CPI (Clock Cycles Per Instruction)、MIPS (Million Instructions Per Second)など、CPUの性能を評価する指標を紹介する。ただし様々なシステムの利用状況においては、これらの指標だけでは不十分であり個別の最適化手法を適用しなければならないことについても言及する。

【学習の要点】

* CPUの評価指標としては、CPU時間(CPI)、単位時間当たりの実行可能命令数(MIPS)、単位時間当たりの実行可能演算数(MFLOPS)、などが使われる。

* SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation)の作成する整数演算の性能評価用のSPECintなどはCPUの性能評価ベンチマークとして使われている。

* 組み込みシステム向けのベンチマークとしては、EEMBC (EDN embedded microprocessor benchmark consortium)が有名である。

図I-27-8. CPUの評価手法とベンチマーク

 

【解説】

1) CPU の性能評価

* CPUの性能評価は2)に示す指標を用いて計測される。

2) CPU の性能を示す指標

1種類の測定法のみではCPU性能の1側面しか判断できないため、複数の指標が存在している。

* CPI (Clock cycles per instruction)

- 1クロックあたりに実行可能な命令数

* MIPS (Millions of instructions per second)

- 1秒間あたりの演算数(単位100万回)

* MFLOPS (Millions of floating-point operations per second)

- 単位時間あたりに実行可能な浮動小数点演算数(単位100万回)

3) 標準ベンチマーク

* 客観的な統一指標で性能を比較する必要から、ベンチマークが作られている。

* 1980年代に非営利法人のSPECが作成する標準ベンチマークが有名である。

- SPECベンチマークの結果はSPECmarkと呼ばれ、ベンダ非依存の性能として示される。

- SPECint/SPECfp

整数/浮動小数点演算の性能を調べるベンチマーク

* 組み込み機器向けのベンチマークとしてEEMBC (EDN embedded microprocessor benchmark consortium)がある。

- Automotive, Consumer

自動車、カメラ、携帯電話などの用途のマイクロプロセッサの性能評価

- Java, Networking

携帯電話やPDA用のJ2MEアプリケーションや、ルータなどのネットワーク製品用途のプロセッサの性能評価

4) CPUの性能に悪影響を及ぼすシステム

* 割り込みを多用するシステム

* 受付後に多数のレジスタの退避と復帰をハードウェアで行うシステム

* レジスタを命令で退避するシステム

OSS Course Naviのコンテンツは IPA OSS モデルカリキュラムを基としています。