II-7-1. ルーティングの設定

ルーティングの概念を簡単に示したうえで、Linuxにおけるネットワークルーティングの設定方法を説明する。ルーティングの設定手順を示し、さらにそのルーティング設定が正しく動作しているかどうかの検証方法についても述べる。

【学習の要点】

* ネットワーク通信を行うためには、目的地へ到達するための経路情報(ルーティング)を設定する必要がある。

* ルーティングには静的ルートと動的ルートがあり、通信先がどこに接続されているかを定義する「ルーティングテーブル」で管理を行う。

* ルータなど複数のネットワークインタフェースを持つ場合、IPアドレスにより送出するネットワークインタフェースを設定する。また、設定に合致しない場合の送出先としてデフォルトゲートウェイを設定する必要がある。

* 静的ルートはルーティング設定ファイルへ経路情報を記述する他、routeコマンドにて経路情報の追加や削除を行う。

* route、tracerouteコマンド等により、実際に設定されているルーティングの確認することができる。

図II-7-1. ネットワークのルーティング

 

【解説】

1) ネットワークのルーティング

コンピュータに複数のネットワークインタフェースが接続されている場合や、複数のネットワークを経由して他のネットワークへ接続されているコンピュータと通信を行う場合、通信先がどのネットワークに接続されているか経路情報がわからなければ通信することができない。

この経路情報を見つけ出す方法のことを「ルーティング」と呼び、「ルーティングテーブル」によって管理されている経路情報を使用して通信経路を決定する。ルーティングテーブルは宛先となるネットワークアドレスと使用するネットワークインタフェースなどの情報を設定する。

宛先がルーティングテーブルに設定されているネットワークアドレスに一致すると、指定されたネットワークインタフェースへデータを送出する。どの情報にも一致しない場合は、デフォルトゲートウェイとして設定されているネットワークインタフェースへデータを送出する。

ルーティングには静的ルーティングと動的ルーティングがある。

* 静的ルーティング

予め最適な経路を固定的に定義する。ルートが固定化されるためトラブルが発生した時に追跡が容易になるなどのメリットはあるが、ネットワークが変更されるたびにルーティングテーブルの設定を変更する必要がある。

* 動的ルーティング

隣接したルータ間で経路情報を交換しあうことによって、自動的に最適な経路を取得する。ネットワークの変更があった場合でも設定のルーティングテーブルの設定を変更する必要はないが、ルートを探すためにブロードキャストを行うため、ルート探索がネットワークの混雑を引き起こすことがある。

2) 静的ルーティングの設定

* 設定ファイルによる設定

ルーティング設定ファイルに経路情報を記述しておくと、ネットワークインタフェースの実行時にファイルに記述された経路情報を設定することができる。

/etc/sysconfig/static-routes

 any net 192.168.1.0 netmask 255.255.255.0 gw 192.168.0.1<br />
any host 192.168.1.10 gw 192.168.0.1

* routeコマンドによる設定

routeコマンドを使用すると、システムを起動後に静的ルーティングの追加や削除を行うことができる。またrouteコマンドはルーティングテーブルの状態を確認するためにも使用する。

静的ルーティングの追加

# route add –net 192.168.1.0 255.255.255.0 eth0

# route add –host 192.168.1.10 eth0

3) ルーティングの確認

tracerouteコマンドを使用すると、宛先となるコンピュータまでの経路の確認を行うことができる。

#traceroute computer3

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