II-7-4. ファイル共有

ネットワーク上におけるファイル共有の考え方について述べる。ファイル共有には様々な方法があることを示し、それぞれのファイル共有手法の特徴と歴史、代表的なサーバ、利用例などを紹介する。

【学習の要点】

* コンピュータ上にあるファイルを、ネットワークを経由して複数人でアクセスできる状態におくことをファイル共有という。

* ファイル共有の方法としてはクライアント・サーバ方式、P2P方式などがあるが、これらはファイルの内容が非同期である。

* クライアント・サーバ方式は、HTTPやFTPなど共有するファイルをサーバへアップロードまたはダウンロードすることによりファイルの共有を行う。

* P2P方式はサーバを持たず、ファイルを共有するコンピュータ間でファイルの転送を行うことによりファイルの共有を行う。

* ファイルの内容が同期する方法としては、LinuxではNFS、WindowsではSMB(CIFS)、Mac OSではAppleShareという方式が使用されている。

図II-7-4. ファイル共有

【解説】

1) ネットワーク上のファイル共有とは

情報の公開や、共同で作業をする際にデータの同期を図る場合など、あるコンピュータ上にあるファイルを、ネットワーク経由で他のコンピュータから複数の人がアクセスできる状態におくことをファイル共有という。通常、ファイル共有ではデータの同期性が保障されているものを指すが、広義ではファイルの送受信によりデータの同期性が保障されていないものも含まれる。

2) データが非同期のファイル共有

ファイルの送受信により同じファイルを取得することによりファイル共有を行う。受信側では送信側のファイルのコピーを保持しているため、送信側でファイルの変更があった場合でも受信側のファイルには変更が反映されない。

このファイル共有の方法は、クライアント・サーバ方式とP2P方式の2つに大きく分けられる。

* クライアント・サーバ方式

共有を行うファイルを全てサーバ上で管理をし、クライアントからファイルのダウンロードやアップロードを行う。HTTPやFTPなどを利用したファイル共有がこれにあたる。

共有の元となるファイルが一元管理されているため、変更があった場合でも即座に反映される。

* P2P方式

ファイルの送受信がサーバを介さずにコンピュータ間で行われる。BitTorrentやCabosなどを利用したファイル共有がこれにあたる。

共有するファイルを持っている複数のコンピュータ(ノード)から最適なコンピュータを選択しファイルのダウンロードを行うため、ファイルダウンロードの効率は良くなるが、元となるファイルに変更があった場合でも、ダウンロード先のファイル反映されているとは限らない。

3) ファイルが同期しているファイル共有

1つのファイルに同時にアクセスできるようにファイル共有を行う。送信側と受信側では同じファイルにアクセスを行っているため、送信側でファイルの変更があった場合、受信側でも変更が即時に反映される。

このファイル共有の方法は、サーバとなるコンピュータでファイルを共有するファイルシステムまたはディレクトリなどの領域を提供し、これをクライアントとなるコンピュータから使用することにより、サーバとクライアント間、クライアントとクライアント間でファイルの共有を行う。

Linuxで利用されるファイル共有としては、主にLinux間で使用する「NFS」や、LinuxとWindows間で使用する「Samba」などがこれにあたる。

WindowsではSMB(Server Message Block)プロトコルを利用した、ファイルやプリンタの共有がこれにあたる。

Mac OSではAppleTalkプロトコルを利用したAppleShareによるファイルやプリンタの共有がこれにあたる。

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