2007年度「日本OSS貢献者賞」受賞者

 

独立行政法人 情報処理推進機構は、2007年10月30日、2007年度「日本OSS貢献者賞」受賞者を表彰しました。

■選定方法
  自薦、他薦により広く推薦を受けた候補者(計52名)の中から、審査委員会(委員長: 相磯 秀夫/ 東京工科大学 学長)の審査によって受賞者を決定しました。
 
■受賞式
  2007年10月30日(火) 15:40~16:10 明治記念館 2F 富士1
※「IPA Forum 2007」の中で授賞式を行いました。
 

2007年度「日本OSS貢献者賞」受賞者(4名 50音順)

 

・小山 哲志(こやま てつじ) 氏  →受賞内容の詳細

 

・笹田 耕一(ささだ こういち) 氏  →受賞内容の詳細

 

・佐藤 嘉則(さとう よしのり) 氏  →受賞内容の詳細

 

・松本 裕治(まつもと ゆうじ) 氏  →受賞内容の詳細

 

2007年度「日本OSS貢献者賞」の受賞内容の詳細

小山 哲志(こやま てつじ) 氏
  日本PHP2ユーザ会や日本UNIXユーザ会などを通じ、長年、OSS活用のシステム構築に携わ る技術者の育成に貢献している。特に、各種コンファレンス・イベントなどにおいて自らの講演のみならず、企画や運営、実施に深く関わり、さらにその活動を 継続している点は、コミュニティ組織構築においても大きな成果を得ている。コミュニケーション力の高さやシナジーを生み出せる技術者であり、技術者として 社会に貢献するひとつのロールモデル(模範)と言える。
 
笹田 耕一(ささだ こういち) 氏
  YARV(Yet Another Ruby VM)3の開発者としてRuby4の 高速化に貢献しているほか、日本Rubyの会、Ruby会議、Rubyist Magazine などRubyのコミュニティ活動を継承しつつ、Rubyの普及・促進にも大きな影響を与えている。学生時代よりYARVの開発を進めており、大学において 学んだコンピュータの基礎理論を駆使して地道な言語処理系を実装した点やコミュニティ活動に積極的に参加している点は多いに評価できる。オープンソースに 関わる学生(若手研究者)のひとつのロールモデルともいえる。
- 2004年度未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)採択/スーパークリエータ認定
- 2005年度上期未踏ソフトウェア創造事業および2006年度下期未踏ソフトウェア創造事業採択
 
佐藤 嘉則(さとう よしのり) 氏
  組込み向け等の小規模なCPUへのLinuxカーネルの移植を行い、メンテナンスを継続している。同時に関連するツール チェーン等の改善提案を行うなど氏の活動範囲は広く実用性も高い。その成果はLinuxカーネルメインラインに取り込まれるなど、業績は国際的にコミュニ ティから評価されている。またその経験を組込みリナックス開発に携わる技術者に伝えるなど、活動は地味であるものの、日本の得意技である組込み分野のソフ トウェア開発をOSSの分野から支えていることは大いに評価される。
- 2003年度未踏ソフトウェア創造事業採択/スーパークリエータ認定
 
松本 裕治(まつもと ゆうじ) 氏
  自然言語処理の専門家として大学で研究を行い、その研究成果を様々なOSSとして公開しており、現在も大学研究室としてのプロジェクトとして継続している。特に、形態素解析5シ ステム「茶筌(ChaSen)」は代表的プロジェクトであり、日本語解析を必要とする検索エンジン等、他の様々なOSSプロジェクトで利用されている。大 学における研究の成果をOSSとして広く公開する流れは、産官学の連携を促進するとともに、OSSのあるべき姿のひとつとして高く評価される。
 

2

PHP:PHP Development Teamによって開発されている、Webアプリケーションを開発するスクリプト言語。

3

YARV:Yet Another Ruby VMの略。Rubyを高速に実行するための言語処理系。

4

Ruby:まつもとゆきひろ氏が開発したスクリプト言語とその処理系。

5

形態素解析:自然言語で書かれた文を形態素(単語など言語で意味を持つ最小単位) の列に分割し、品詞を見分ける手法。

 

2007年度 日本OSS 貢献者賞審査委員会名簿

  氏 名 所 属
委員長 相磯 秀夫 東京工科大学
委員 上田 理 ソニー 株式会社
(CE Linux Forum6)
委員 鵜飼 文 グーグル 株式会社
(Debian Project7)
(2005 年度日本OSS 貢献者賞受賞者)
委員 大谷 真 湘南工科大学
委員 平林 俊一 富士通 株式会社
(WideStudio/MWT8開発者)
(2006年度日本OSS貢献者賞受賞者)
委員 まつもと ゆきひろ 株式会社 ネットワーク応用通信研究所
(Ruby開発者)
(2005年度日本OSS貢献者賞受賞者)
委員 山田 伸一 株式会社 NTT データ
(日本OSS 推進フォーラム9)
委員 吉藤 英明 慶應義塾大学
(USAGI Project10)
(2006 年度日本OSS 貢献者賞受賞者)

(敬称略、50音順)

6

CE Linux Forum:OSSを活用して組込み機器向けシステムを開発している企業(ソニー株式会社,松下電器産業株式会社等)によって設立された、OSS開発コミュニティの1つ。

7

Debian Project:フリーなオペレーティングシステムを作成するために連携した個人の集団。

8

WideStudio/MWT:純国産のオープンソースのデスクトップアプリケーション統合開発環境。MWT はMulti-platform Widget Toolkitの略。

9

日本OSS 推進フォーラム:国内情報システムのベンダ、ユーザ、学識関係者などが参加し、OSS活用上の課題について、自由な立場から議論を重ねながら、課題解決に向けて取り組んでいる。IPAが事務局を務めています。

10

USAGI Project:UniverSAl playGround for Ipv6の略であり、LinuxシステムにおけるIPバージョン6 のプロトコルスタックを研究開発し、オープンソース/参照コードとして、広くインターネットコミュニティーに提供することを目的として2000年に発足し た産学協同の研究開発プロジェクト。

 

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