I-18-8. WideStudioの歴史、開発の背景と特徴

OSS統合開発環境のひとつであるWideStudioについて、開発の背景、歴史、コミュニティ、ライセンスなどについて説明する。さらにそのアーキテクチャや機能、MWT(Multi-platform Widget Toolkit)などの特徴を解説する。

【学習の要点】

* WideStudio/MWTプロジェクトは、1999年に発足した。

* WideStudioはMITライセンスである。

* WideStudioはMWT (Multi-platform Widget Toolkit)という複数の異なるプラットフォームで動作するライブラリを利用しているため、異なるプラットフォーム間でも互換性を持つプログラムを作成することができる。

図I-18-8. WideStudio普及の概要

【解説】

1) WideStudioの歴史

WideStudioは1999年に、平林俊一氏によって開発が始まった。2000年にはα版が公開され、同年12月にはTurbo Linux Japan 社の開催するソフトウェアコンテストで個人部門最優秀賞を受賞した。その後も順調に開発は続き、2008年1月現在ではバージョン3.97が公開されている。

2) WideStudioのコミュニティ

WideStudioは日本発のオープンソースソフトウェアであり、日本語のコミュニティが発達している。登録者数1000人を超すメーリングリストも、日本語で交わされている。

3) WideStudioのライセンス

WideStudioはMITライセンスを採用している。そのため、WideStudioを用いて開発したソフトウェアの配布に関してほとんど制限がない。

MITライセンスの詳細は、http://www.opensource.org/licenses/mit-license.htmlを参照のこと。

4) WideStudioの特徴

* MWT(Multi-platform Widget Toolkit)

WideStudio最大の特徴は、MWT (Multi-platform Widget Toolkit)ライブラリを採用していることである。これにより、同じソースコードを再コンパイルすることで、異なるOSでもネイティブコードのアプリケーションを作成できる。OSが異なってもソースコードは同一でかまわないので、異なったOS毎にアプリケーションを作成する手間が省ける。

* 多くのプログラム言語で開発可能

C/C++を始め、Java、Perl、Python、Rubyなどを利用して開発ができる。

* マルチエンコーディング

ほとんどの場合OSが異なるとデフォルトのテキストエンコーディングも異なり、OS間でソースコードを共有する場合はその点に注意をする必要があった。しかし、WideStudioはマルチエンコーディングに対応しているので、ソースコードのテキストエンコーディングを気にする必要はない。

* 多彩なGUI部品

ボタンやスクロールバーの他にも、タイマーやドローイングエリアといったGUIオブジェクトを備えている。

* 多言語対応

日本語、英語の他にも韓国語や中国語などをサポートしている。

* エディタ

WideStudioは独自のテキストエディタを備えていないので、設定から任意のエディタを選択し、それを用いてソースコードを書く。

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