II-5-9. TCP/IPネットワークの基本

UNIXやLinuxで標準的に利用されるネットワーク技術であるTCP/IPの基本について説明する。IPアドレス、ネットマスク、デフォルトゲートウェイの設定、ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレスなど基本的な項目を解説する。

【学習の要点】

* Linuxで標準的に利用されているネットワークプロトコルはTCP/IPで、HTTPやSSHなどの通信で使用している。

* TCP/IPではデータを送受信する機器を判別するために、各機器に固有のIPアドレスを付与する必要がある。

* IPアドレスのうち、機器が所属するネットワークを識別する部分をネットワークアドレスと呼ぶ。ネットワークアドレスはIPアドレスとネットマスクにより決定する。

* ブロードキャストアドレスはネットワーク内に全てデータを送信するためのIPアドレスを指す。

* デフォルトゲートウェイは、外部のネットワークと通信する際に通過する機器のIPアドレスである。

図II-5-9. TCP/IPネットワーク

【解説】

LinuxではTCP/IPプロトコルを利用してネットワークに接続し通信を行っている。

TCP/IPはOSI7層構造モデルのトランスポート層とインターネット層に実装されたプロトコルである。

HTTPやSSHなどの信頼性が求められるプロトコルは、TCP/IPの上位層であるアプリケーション層へ実装される。

* IPアドレス

IP アドレスは、コンピュータに搭載されているネットワークインターフェイスを識別するため付与する32ビットの数値で、通常8ビットごとに分割した0から255の数字4組を「.」(ドット)でつないで表記する。IPアドレスは、サブネットワークを識別するネットワーク部とサブネットワーク内のコンピュータを識別するホスト部で構成される。

IPアドレスの例: 192.168.0.1

* ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレスとサブネットマスク

コンピュータが所属するサブネットワークはネットワークアドレスによって識別する。ネットワークアドレスは、IPアドレスとサブネットマスクの論理積によって算出する。

IPアドレスが 192.168.0.2でサブネットマスクが255.255.255.0の場合、ネットワークアドレスは、192.168.0.0となる。

ブロードキャストアドレスはIPアドレスのホスト部分のビットを全て1に設定したアドレスで、サブネットワーク内の全てのコンピュータに通知を行うために利用される。

ネットワークアドレスが、192.168.0.0でサブネットマスクが255.255.255.0の場合、ブロードキャストアドレスは、192.168.0.255となる。

* デフォルトゲートウェイ

サブネットワークが異なるコンピュータ間で通信を行う場合、データを中継するルータへ送信する必要がある。このパケットを中継するルータのアドレスを、ゲートウェイアドレスと呼ぶ。ゲートウェウィアドレスは通信先ごとに設定することができるが、デフォルトゲートウェイとして1つだけゲートウェイアドレスを設定するのが一般的である。

* DNS(ドメインネームシステム)

ネットワークインターフェイスはIPアドレスで識別することができるが、ホスト名を付与しIPアドレスとの対応情報を管理することにより人にとって扱いやすいようになっている。

DNSではホスト名からIPアドレスを変換したり、逆にIPアドレスからホスト名を変換することができる。DNSを利用してIPアドレスとホスト名を変換することを「名前解決」と呼ぶ。

* ポート番号

コンピュータで動作しているどのサーバアプリケーションと通信を行うかを指定するためにポート番号が使われる。

ポート番号は0~65536までの整数が使われるが、主要なサーバアプリケーションでは1~1023までのポート番号が割り当てられている。

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