「第8回 日本OSS貢献者賞・日本OSS奨励賞」受賞者を選定

日本OSS推進フォーラム(代表幹事 栗島 聡)は、このたび、優れたオープンソースソフトウェア(OSS)の開発及び普及に貢献した個人等を表彰する「第8回 日本OSS貢献者賞」および「第8回 日本OSS奨励賞」の受賞者を選定しました

「日本OSS貢献者賞」は、OSS開発の振興を図ることを目的に、影響力のある開発プロジェクトを創造・運営した開発者や、グローバルプロジェクトにおいて活躍する卓越した開発者、OSS普及への貢献者を表彰するものです。本賞は2005年度に創設され、今回が第8回目となります。

「日本OSS奨励賞」は、過去1年間にOSSの開発や普及に顕著な活躍をした個人ないしグループを表彰するものです。本賞は2009年度に新設し、今年度が第4回目となります。

■日本OSS貢献者賞 受賞者(4名、50音順)

  • とみた まさひろ
  • 小林 哲之
  • 半田 哲夫
  • 吉田 浩平

■日本OSS奨励賞 受賞者(6名、3団体 50音順)

(個人)

  • 青田 直大
  • 櫛井 優介
  • 斯波 健徳
  • 増井 雄一郎
  • 結城 洋志
  • 吉川 拓哉
     

(団体)

  • オープンソースカンファレンス事務局
  • groonga開発チーム
  • 特定非営利法人TOPPERSプロジェクト

■授賞式

2月22日(金)にイベント「オープンソースカンファレンス2013 Tokyo/Spring」(会場:明星大学)内で授賞式を開催します。

授賞式では、日本OSS貢献者賞 受賞者による活動紹介プレゼンテーションも予定しています。また、同イベントの懇親会(要事前登録)にて日本OSS奨励賞 受賞者による活動紹介のライトニングトークを予定しています。

□ 授賞式  2月22日(金) 17:15~18:00
https://www.ospn.jp/osc2013-spring/modules/eguide/event.php?eid=11

■本件に関するお問い合わせ先

日本OSS推進フォーラム 日本OSS貢献者賞・奨励賞 実行委員会
info@ossforum.jp

■受賞内容

 

■日本OSS貢献者賞

とみた まさひろ
MySQLの初期の日本語化パッチを作成し、国内での普及に大きく貢献した。またその後立ち上がった日本MySQLユーザ会の代表を務めるなどコミュニティの成長にも貢献している。

小林 哲之
Androidの開発で、Google所属以外で多大な貢献をした日本人の方のひとりである。開発に当たっては、Android開発とLinuxカーネル・メインラインの両面にわたり貢献しており、Android開発のメインラインへのフィードバックにも貢献している。
ABS(*1), Embdded Linux Conferenceなどで、活発に発表を行うほか、2008年にAndroidプロジェクトに参加する以前から、QEMU(*2)、gcc(*3), Linuxにて活動しており、海外をふくめた活動は、組み込み開発者として他の模範となっている。

半田 哲夫
Linux向け国産セキュリティ強化モジュールであるTOMOYO Linuxの主開発者として2003年から取り組み、信条に沿わないものに否定的になりがちなセキュリティ専門家の説得を続け、TOMOYOやAppArmorのメインライン化に貢献した。その後も、もっと扱いやすく理解しやすい手法の模索を続けながら、セキュリティ強化Linuxの普及と活用に努めてきた。最近では、Linuxカーネル開発者としてバグ報告やレビューを行いつつ、セキュリティキャンプ講師やCTF(*6)出題などの育成活動にも取り組んでいる。

吉田 浩平
オープンソースのオフィススイートの開発普及に多大な貢献があった。LibreOfficeやOpenOffice.orgのCalcの主開発者として多大な貢献をおこなうほか、日本語チームのメンバーとして活動している。オフィスファイルフォーマットODFの国際標準化にも参加し、OSSのオフィススイートの発展に、開発・普及の両面で貢献されている。ブログでは、Calcの技術的詳細や、仕様決定の経緯など詳解しており、その透明性のある活動スタイルは、後進の模範である。現在SUSE社で、フルタイムでLibreOfficeの開発に従事している
 

■日本OSS奨励賞

青田 直大
2010年セキュリティ&プログラミングキャンプに参加し、LinuxカーネルおよびLinux開発の取り組みを開始した。GSoC2010(*4)でGentoo/Dragonflyに取り組み、2011年4月にディストリビューションGentoo Linuxの公式開発者となった。Emacs, Gentooを軸に活躍するなど、オープンソースのOS開発者として活発な活動を続けている。

櫛井 優介
Perlコミュニティの一大祭典であるYAPC::Asia Tokyoの運営に2010年より参画しており、国際カンファレンス運営の中心人物となっている。非エンジニアならではのコミュニティサポートを実践していて、ブロガーとしても有名であり、開発者とOSSの役割について積極的に情報発信を行っている。

斯波 健徳
複数台のMySQLサーバを組み合わせたデータベースシャーディングをサポートするストレージエンジンSpider を一人で開発した。近年では、日本語全文検索用のストレージエンジンmroongaの開発メンテナンスをgroonga開発チームと協力して行っている。

増井 雄一郎
iOSでのObjective-CとRubyとのブリッジの役割を果たすMobiRubyを開発。かつてはPHPのWikiシステムPukiWikiの開発や、Ruby on Railsでの様々な講演、Titanium MobileのAppcelaratorに参加するなど、多くのOSSプロジェクトに参加している。

結城 洋志
オープンソースのWebブラウザFirefoxの拡張機能の開発者として古くから有名。技術的な内容も多い彼のブログは、拡張機能開発者の間ではリファレンスともなっている。Firefoxマスコットキャラクターである「フォクすけ」のデザインも彼の手による。

吉川 拓哉
2012年、Linuxカーネルの開発者として、仮想化機能KVMにおけるメモリ管理の最適化やスケーラビリティ向上など、カーネルの主要な部分における多岐にわたる開発課題について、精力的に貢献を行った。

オープンソースカンファレンス事務局
オープンソースカンファレンス事務局は、全国で開催されるカンファレンス・イベントの実行委員会を支えてきた。2012年には、全国で17回、のべ8000名の参加者を集めるまでに成長し、OSS情報の発信の場を提供し、OSS関係者の連携へ大きく貢献した。

groonga開発チーム
未来検索ブラジルを中心としたgronnga開発チームは、全文検索エンジンSennaの 後継groongaを活発に開発し「肉の日リリース」(*5)を続けている、さらにRDBMSや言語バインディングにおいて開発コミュニティを形成し、MLやセミナーでのユーザコミュニティを拡大するなどの活躍をしている。情報共有型のサー ビスでは全文検索の実装は必須であり、groongaの恩恵は大きい。

特定非営利法人TOPPERSプロジェクト
TOPPERSプロジェクトはOSSの組み込みソフトウエアを開発する産学 官連携のプロジェクトである。TOPPERSプロジェクトの成果である組み込みシステム向けの各種リアルタイムOSやミドルウエア、開発 支援ツールは、自動車の制御ユニット、ロケットの制御ユニット、工作機械、プリンタ、電子楽器、携帯電話機など多岐にわたって活用されている。

■審査委員会

  氏名 所属
委員長 筧 捷彦 早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部
研究科 情報理工学専攻 教授
委員 石井 達夫 SRA OSS, Inc. 日本支社
(PostgreSQL開発者)
(2008年度 日本 OSS 貢献者賞 受賞者)
委員 上田 理 ソニー株式会社
委員 中野 秀男 大阪市立大学 名誉教授
大学院創造都市研究科特任教授
委員 吉藤 英明 慶應義塾大学 講師
(USAGI Project)
(2006 年度 日本 OSS 貢献者賞 受賞者)

 

 ■実行委員会

  氏名 所属
委員長 濱野 賢一朗 株式会社NTTデータ
(企画チーム 日本OSS貢献者賞・奨励賞サブチーム主査)
委員 小山 哲志 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社
(2007年度 日本OSS貢献者賞 受賞者)
委員 福安 徳晃 The Linux Foundation
委員 三浦 広志 株式会社NTTデータ
(北東アジアOSS推進フォーラムWG2)
委員 宮原 徹 株式会社びぎねっと
(オープンソースカンファレンス事務局)
(2008年度 日本OSS貢献者賞 受賞者)
委員 吉田 正敏 富士通株式会社
(ステアリングコミッティ座長)

(*1) ABS: Android Builders Summit:Android採用携帯端末やソフトウエア開発者の国際会議
(*2) QEMU: CPUエミュレータアプリケーション
(*3) GCC: GNU コンパイラ・コレクション:フリーソフトウエアのコンパイラ
(*4) GSoC: Google Summer of Code, Open Sourceの開発コミュニティがメンターとなり、OSSの開発を学生が行う夏休みのプロジェクト。Google社がスポンサーとなり、資金提供している。OSSの開発コミュニティが、開発テーマを提示、学生が応募して、開発をおこなう。現在では、多くのOSSにおいて開発促進や若者のコミュニティ参加のきっかけとなっている。
(*5) 肉の日リリース: 毎月29日にリリースを行うこと。従来、OSSの開発では、機能や修正の目標達成によってリリースを行うことが通例ある。「肉の日」リリースは、毎月29日というタームでリリースを行うことで、OSSの原典論文の一つ「伽藍とバザール」においてEric Raymondが論理展開した「たくさんの目があれば品質が保たれる」「「目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない」ことを実現するための活性度を維持する効果を生み出している。「肉の日リリース」は、日本発のWebブラウザーである、「風博士」によって2003年に開始されたリリース手法である。
(*6) CTF: Capture the flag: セキュリティの祭典DEFCONで行われている、セキュリティ攻略の競技。ゲーム仕立てで攻撃対象のソフトウエア、サーバ等を、セキュリティの知識、技術を駆使して乗っ取り、中に入っている解答を見つけるというもの。競技者同士が妨害する(セキュリティ防御技術につながる)ために、参加者は高度な防御と攻撃のスキルを必要とする。セキュリティ専門家の養成につながることから、コンテストなどが様々行われている。日本では、セキュリティコンテストSECCON CTFが行われている。

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