サポートインフラWG(2005年12月まで)

2005年12月12日をもって新体制に移行しました。

サポートワーキンググループ

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目的と背景
    OSSの普及、利用拡大のために 「OSSのサポート」 「OSSの長期利用」の観点における課題を整理し、解決のための取り組みを各方面に提案することを目的として活動しています。ここでいう「サポート」 とは、システム運用フェーズでの保守サポートサービスのことを指します。つまり、「問題点切り分け・障害復旧・問題回避 …」「原因究明・ソフトウェア修正・原因報告 …」「予防的ソフトウェア修正・更新の適用 …」などの作業工程のことと本WGでは定義しています。

OSSサポートの課題と可能性

    OSSサポートに関する主な課題は以下の4点があると認識して検討を開始しています。
    1. 基幹業務・社会基盤システムなどへの OSS 利用が進む一方、より短い障害復旧時間、長期間(10年以上)にわたるサポートの要求が現実に出てきている。
    2. OSSはコミュニティで自発的に開発、サポート事業者が異なって存在しているという従来のビジネス形態と異なる状況が認知されておらず、OSSサポートのインフ ラやOSS開発プロジェクトの計画性などが、商用ソフトに比べて脆弱ではないかという不安を抱かれてしまっている。
    3. サポート事業者によるサポートの現状を厳しい目で見直した場合、ユーザの期待に充分に応えられていない懸念がある。
    4. OSSの継続的サポートが必要な場合、それにふさわしい費用を要するという認識の浸透がまだまだ不十分である。

    一方、OSSサポートに関して、潜在的な可能性もあると認識しています。つまり、

    • 誰でもソースコードを参照可能であり、ソースコードレベルの質の高いサポートを、より経済的に享受できる可能性がある。

    という認識もあるわけです。

活動内容と成果

2004年度の活動概要

    「OSSのサポート」「OSSの長期利用」という2つの観点から、 OSSコミュニティの調査、サポート事業者の調査、共通サービスレベル体系確立のための用語の調査・検討、バージョンアップと互換性の問題の状況把握・検討などを行いました。

    成果物としては、新たにオープンソースソフトウェアを導入するユーザーのためのガイド 「オープンソース ソフトウェアが開発コミュニティからユーザーに届くまでの仕組み」 を2005年2月10日に公開し、プレスいたしました。 この資料は、OSSになじみのないユーザーの方を対象にしたもので、サポートに関して語る前に、OSSの実態をより深く理解して いただき、安心して利用できるように、特に以下の2点を意識して作成しています。

    • システム構 築で多く使われるOSSは、長期間継続される開発体制が整っていること
    • 開発者以外 のベンダーがサポートを提供しており、ユーザーは必要に応じたサポートを選択してOSSを利用できること

    例えば、OSSの開発体制を出自、生まれた背景で、

    • 開発コミュニティによって開発されたもの
    • 企業で開発したソフトを公開し、コミュニティに委ねたもの
    • 企業で開発しソースを公開しているが、企業で開発・維持しているもの

    の3つに分類しました。長期に継続している開発コミュニティには、それに相応しい開発体制が整っており、付録にApache, JBoss, LInux Kernel, MySQL, NICドライバe1000, OpenLDAP, OpenSSL, PostgreSQL, Samba の9種類のOSSコミュニティに対し、誰が最初に開発し、現在誰が開発維持し、現在の機能の動向の様子を記載しています。

Sambaの流れ Sambaコミュニティ概況
Samba に関わるコミュニティ Samba コミュニティの概況

    サポート体制 に関しては、サポートサービスを必要とする企業の業務システムでは、以下の理由から、商用のLinuxディストリビューションが使用されていることを述べ、その場合の、OSSの開発からユーザーに届くまでの全体像を、Linuxを中心にまとめた図を示して、その中での各プレイヤ(コミュニ ティ、企業体など) の関係を明らかにしています。

      • ディストリビュータ の長期サポートが提供されている
      • 版数更新のサイクルが長めに設定されている
      • 商用ソフトウェア/ハードウェアの動作確認の対象になっている

    全体像の中、エンドユーザからの各プレイヤへのサポートに関するアクセスパターンを示し、それぞれのアクセスパターンごとでの各プレイヤの役割分担を示しています。

届くまでの全体像 アクセスパターン
Linux 関連製品がユーザーに届くまでの全体像 エンドユーザーからのアクセスパターン
   
アクセスパターンごとでの役割分担
アクセスパターンごとでの役割分担

    このような役割分担 から、ユーザーは、すべての役割を分担する、つまり、すべて自己責任においてOSSを使用するか、商用のソフトウェアと同様に各ベンダにサポート費を支 払ってサポートを依頼するか、様々なパターンでユーザーに選択肢があることを示しています。
    以上をまとめると、次の2点に集約される。

      1、今までシステム構築でよく利用されたOSSを開発するコミュニティには、「中心となって活動する開発者の氏名が明らかになっている」「活動内容がWebで公開されている」という特徴があり、今後、システム構築で新たなOSSを利用する場合には、この観点でOSSを選択して利用する事が望ましい。

      2、OSSのサポートには、「開発コミュニティのサポートは、自己責任を前提とした相互扶助窓口であることが多い」「開発コミュニティ以外のベンダーがサポートを提供している」「自己責任で利用するか、商用ソフトと同様にさまざまなベンダーのサポート範囲/レベルを利用するかを選択することが出来る」などの特徴があり、ユーザーは必要に応じた適切なサポート範囲/レベルを選択してOSSを利用する事が望ましい。

資料

イベント講演資料

関係記事

今後の活動内容
    「長期利用・長期サポート」への提言を行うため、以下の3つを検討する。
      1.長期利用を支える要素 である、以下の項目について検討する。
      • 「互換性」を保つため、「標準」化の促進、生じてしまった「非互換情報」の流通
      • 「検証・保証・認証」をソフトウェア、ハードウェアに対して、どのような形で実現するか
      • 「保守、障害対応」のための、障害復旧、原因究明、修正パッチ、セキュリティパッチをどうするのか

      2.それをどのように実現するのか

      • コミュニティ、ディストリビュータ、SWベンダ、HW ベンダ、SIer、データセンタ、ユーザでどのように「役割分担」するのか、すべきか
      • その「費用」をどのように分担・工面し、「情報とスキル」をどのように蓄積するのか

      3.具体的な施策案として、以下のような提案をし議論いただく

      • サポート打ち切りOSSに対する、企業間の協力による共同サポートの仕組みを実現する
      • ドライバの互換性を高めるための技術標準を確立し、コミュニティに提案して普及を計り、特に商用ドライバの寿 命をWindows並へと目指す

    他に、各ベンダのサポートメニューを容易に比較可能になるように「サポート情 報表示の標準ガイドライン」(一種の用語の統一)を検討。 2004年度作成した「オープンソースソフトウェアが開発コミュニティからユーザーに届くまでの仕組み」を維持拡充するため、掲載コミュニティとの協力関係構築し、また、新 規OSSを追加するため、協力者を広く募るとともに、ユーザへの浸透と定着のための普及活動として、メディア対応、講演などを行う。

メンバ一覧

主 査  

堀  健一

日本電気株式会社

   
メンバ  

工内 隆

富士通株式会社

鈴木 友峰

株式会社日立製作所

橋本 尚

株式会社日立製作所

秋山 功

日本ユニシス株式会社

寺田 雄一

株式会社野村総合研究所

小野寺尚文

NTT コムウェア株式会社

黒岩 淳一

NTT データ先端技術株式会社

小林 誠

新日鉄ソリューションズ株式会社

三橋 秀行

レッドハット株式会社

吉岡 弘隆

ミラクル・リナックス株式会社

野田 俊英

ターボリナックス株式会社

斉藤 雅美

ノベル株式会社

菊地 健太郎

OSDL

   
メンバ同席者  

五十嵐 智

日本ユニシス株式会社

内堀 修

NTTコムウェア株式会社

三浦 広志

NTTデータ先端技術株式会社

澤藤 宗彦

新日鉄ソリューションズ株式会社

姉崎 章博

日本電気株式会社

泉澤 仁

OSDL

 ※ 所属および肩書は2005年4月のもの

 記載した会社名、製品名は各社の登録商標または商標です

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